磨くということは◆詩「道」
◆毎年、仕事納めの日には、一年間お世話になった仕事道具を数時間かけて磨く。
◆今年は、写真に並ぶ7本の筆記具を磨き上げた。文房具がお好きな方のために少しご紹介すると、左から順に: ・ペリカン M800 (BB) ・ペリカン M800 (B) ・ペリカン トレド (EF) ・パーカー デュオフォールド ・カランダッシュ バリアス ・モンブラン マイスターシュテュック ・ラミー 2000
◆左から4番目のオレンジの万年筆と5番目の木軸のボールペンは、この「納めの磨き」を繰り返して、もう25年になる。このように年季の入ったものは、研磨剤を少し付けて丁寧に磨き上げると、ペン軸がしっとりとした深い艶を湛え、クリップやリングの金属部分が鋭く瑞々しい光を取り戻していく。
◆昨日、静かにペンを磨きながら、ふと思った。 「磨くということは、自らの内側にまだ潜んだままの輝きを見つけることではないか」と。その滑らかな手応えを確かめるとき、私の心もまた、新しい年を迎え入れる準備が、静かに整うような心地になるのだ。
◆一年の感謝を込めて。本年も誠にありがとうございました。 どうぞ、佳き新年をお迎えください。
道
藤川幸之助
何度も転んだ。
何度も何度も立ち上がった。
そのたびごとにじだんだ地団駄ふ踏んで
踏み固めてきた私の道は
あの山をこ越え
私はまだ見たこともない私に出会い
あの海に行き着き
人の悲しみの深さを知った。
顔に当たる風の強さで感じるのだ。
血のにじむひざ膝の痛みで感じるのだ。
立ち上がり歩み出す私の一歩が
転ぶごとに力強く大きくなっていることを。
あの悲しみから踏み出したその一歩が
この喜びへつながっていることを。
私をつまずかせた石ころの中に
転んだ私の心の中に
私の明るい未来はひそ潜んでいる。
何度も何度も立ち上がり
大粒の汗をしみ込ませて
道が私の道になっていく。
©FUJIKAWA Konosuke
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