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エッセイ『母はもう春を理解できない』
〜認知症という旅の物語〜

harunosora・2021年
藤川幸之助(著・写真)
「あとがき」より抜粋認知症の母との24年間は、生きづらい日々の連続でした。母との日々は私の人生にとって手枷足枷だとずっと思ってきました。しかし一方で、この生きづらさの中で、初めて私は私や私の人生の意味に気づかされました。私は明日の向こう側から本当の希望の歌を聞いたのです。母が亡くなり、このくびきから逃れられた今、この生きづらさの中にこそ、人生の喜びと味わいがあったのだと、その日々を振り返って思います。」
詩人・藤川幸之助
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(harunosoraより)50代でアルツハイマー病となった母、それを支えてきた父、そして父の他界後に母と歩むことを決めた著者。その20数年にわたる、険しくて優しい旅の物語です。一般に、その渦中にある家族は、先の見えない介護生活に疲れたり、怒りを溜めたり、孤立したりするものですが、後に振り返ってみたとき、得たものが大きかったと実感することが少なくありません。著者はそれを「認知症になった母に、自分の人生の地図を与えてもらった」「支える側が支えられた」と表現しています。本書の中では、そうした「見つけたもの」の数々を丁寧に掬いとり、言葉にしています。詩人として数多くの詩集を送りだしてきた著者ですが、エッセイは今作が初めて。巻頭では、フォトグラファーとしても活躍する著者が撮りためた写真も掲載しています。

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