
詩
海辺に行くといつも◆詩「二つの小石」
◆海辺で海を見つめながら並んでいる無数の丸い石を見ると、心臓病を患いながらも認知症の母を介護した父と、いつも寄り添い手をつないでいた二人の姿がありありと胸に浮かぶ。◆「もっと息子としてできることがあったのではないだろうか」。この問いが後悔のように、今でも夕日に色づく水平線から波に乗って打ち寄せてくる。今日は...

◆海辺で海を見つめながら並んでいる無数の丸い石を見ると、心臓病を患いながらも認知症の母を介護した父と、いつも寄り添い手をつないでいた二人の姿がありありと胸に浮かぶ。◆「もっと息子としてできることがあったのではないだろうか」。この問いが後悔のように、今でも夕日に色づく水平線から波に乗って打ち寄せてくる。今日は...

◆徘徊とは、どこともなく歩きまわることをいう。また、「徘徊る」と書いて「たもとおる」と読み、同じ場所をぐるぐるまわることを意味する。認知症を患ってからの母もどこともなく歩き、ぐるぐる同じ場所を歩き続けた。◆母にとってそれは本当に「どこともなく」だったのだろうか。母にとってそれは本当に「同じ場所ぐるぐる」と歩...