◆ウェビナーとはウェブ(Web)とセミナー(Seminar)を組み合わせた造語で、オンラインで配信する講演やセミナーのこと。カメラのレンズに向かって話すのでは、モチベーションが上がらないという理由でずっと断ってきた。全国で500回近く講演をしてきたが、講演というのは、聞いている方々の反応を見ながら、ともに作り上げているものだと思ってきたからだ。◆しかし、このコロナが続く状況ではと、この8月から重い腰を上げた。生命保険会社のオンラインセミナーで、その会社の長崎支社から社員350名ほどの方々にウェブ配信して聞いていただいた。切り替わっていく講演を聞いている方々の顔を一人ひとりを拝見していると、顔が直接大きく見られるのもあって感情や思いというものはウェブであろうとなかろうと伝わっていくものだと実感した。◆味を占めて、10月は2度、講演をライブでオンライン配信する。2度とも私の仕事場からの配信だ。Macに専用カメラを取り付け、マイクも用意した。さあ始めるしかない!◆以下、オンライン講演会のお知らせです。どなたでも参加できます。◆今日の詩はその講演会で朗読する詩「本当のところ」です。
◆日本尊厳死協会・オンライン市民公開講座
日時 10月9日(土)14:00〜16:00
講演 藤川幸之助
「支える側が支えられるとき〜認知症の母の命を看取って」
※オンライン配信(ZOOM)事前登録制
◆詳細・お申し込みは以下へ
https://songenshi-kyokai.or.jp/kyusyu/archives/271
本当のところ
藤川幸之助
胃瘻から栄養を入れることができないので
高カロリー輸液を
母に中心静脈から入れるかどうか
医師に尋ねられた
「母はもうくたびれています
もうゆっくりさせたいので
入れないでください」
と、私は言って帰った
これが私の本当のところ
するとそう延命というわけでもないし
入れていいんじゃないかと
妻が言い
兄も
医者をしている兄の娘も
入れるのに一票投じた
本当は私の一存で
母の殺していいのかと思っていたので
安心したというのも本当のところ
静脈から高カロリーを入れて
元気になっても
この肺の状態では一二ヶ月後肺炎になって
またこんな状態になるのは目に見えている
母を生かし続けるのに
罪のようなものを感じた
実はこれも本当のところなんだ
いつもは不携帯の私が
便所に入るときも
風呂に入るときも携帯して
夜中何度も何度も枕元の携帯電話を確かめる
母の死にびくびくするこんな日々が
また続くのかとも思った
「私はもうくたびれています
もうゆっくりしたいので
入れないでください」
と、私は言いたかったのかもしれない
これもまた本当のところ
「支える側が支えられ 生かされていく」(致知出版)より
みなさま、宜しければ「シェア」をお願いします。
多くの方々に詩を読んでいただければと思っています。
©Konosuke Fujikawa【詩・文*藤川幸之助】
◆自選藤川幸之助詩集
【支える側が支えられ 生かされていく】
詳細は◆https://amzn.to/2TFsqRT