▲自分にも分からない自分自身のことがある。私は無性に錆(さび)が好きなのだ。なぜか晴天の日は幼い頃から錆を見つけるとずっと見つめていたくなるし、大人になってからは海辺の錆が特に好きになったのだ。悪い結果のことを「身から出た錆」と言うし、海辺の錆などは塩害の代表的なもの。こんなものを何で私は好きなのだろうかと、長年謎であったが、ある時突然その謎が解けたのだ。▲雑誌を見ていたらAZZURO E MARRONEという言葉が目に飛び込んできた。イタリア語でアズーロ・エ・マローネと読み、AZZUROは青色で、MARRONEは栗のような茶色のこと。ワールドカップでおなじみの青軍団イタリア代表はアズーリと言うが、これはアズーロの複数形で、そういえばマロンといえば栗のことでマローネに似ている。この青色と茶色の配色がイタリアでは最高の組み合わせと言われているらしい。▲青空と錆、海と錆、これぞまさしくアズーロ・エ・マローネ。この配色が私は好きだったのだ。この頃、スーツやジャケットもネイビーが多いし、靴やベルトは茶色ばかり使っている。持ち物を調べてみると、下の写真の感じ。ああ、そうかあ。青と茶色は補色になるなあ。
▲空も海も自分に合う調和の色をおのずから作り出していたというわけだ。青空から吹く風に、幼い頃のブランコのチェーンはさびついていた。その色の調和に幼い私は見とれていたのだ。海風に時報を知らせる鉄塔はさびついている。その色の調和に私は今も見とれているのだ。最後はイタリア人さながらアッズーロ・エ・マローネ!
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