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12日間、12篇の詩をお送りしています。家で、力を抜いて、開いて、読んで、閉じて、また明日。詩の12日間。
〈幸せの小さな粒〉
　　　　　　　　　　　藤川幸之助
きみにはどうやっても
自分の思い通りにならないことがあった。
誤解されたまま文句を言われ、
非難されることもあった。
どれだけがんばっても、
誰も認めてくれないときもあった。

そんなとき、きみは歯を食いしばり、
しっかりと言葉を自分の中に閉じこめた。
口を閉じ、ただただ歯を食いしばった。
しっかりと歯をかみ合わせ、
自分自身を食いしばった。

すると口の中から
プツンと何かがつぶれる音がした。
そして、中からほんの小さな幸せが
ちょこつと広がったのだ。
〈幸せの小さな粒〉が
プツンとはじけて広がる
かすかな音が聞こえたのだ。
そんなときこそ
じっと歯を食いしばれと
かすかな音が
きみには聞こえてきたのだ。
©Konosuke Fujikawa

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©Konosuke Fujikawa【詩・写真＊藤川幸之助】
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