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12日間、12篇の詩をお送りしています。家で、力を抜いて、開いて、読んで、閉じて、また明日。詩の12日間。
一本の樹のように
藤川幸之助
あの一本の樹のように
届かぬ空に向かって
ただいつまでもひとすじに
立っていられるだろうか。
あの一本の樹のように
深く根を張り
どんな悪口雑言にも
動じずにいられるだろうか。
あの一本の樹のように
背にじりじりと陽を浴びながら
自分の木陰で人を
憩わせることができるのだろうか。
あの一本の樹のように
花を咲かせぬことで
実を結ばぬことで
自らを責めずにいられるだろうか。
あの一本の樹のように
切られ削られ塗られ組み込まれ
人のため自らを変えて
生きていくことができるのだろうか。
あの一本の樹のように
森の暗闇の中
独りでその寂しさに耐え
朝日を待つことができるのだろうか。
あの一本の樹のように
風に倒れた自分を見つめ
静かに終わりを
受け入れることができるのだろうか。
そして
あの一本の樹のように
枝も枯れ果て
忘れ去られても
その朽ち果てかけた体から
みずみずしい芽を
また生き生きと芽吹かせることが
私にはできるのだろうか。
©Konosuke Fujikawa
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©Konosuke Fujikawa【詩・写真*藤川幸之助】
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