【お家で読む1ダースの詩 #7】藤川幸之助

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12日間、12篇の詩をお送りしています。家で、力を抜いて、開いて、読んで、閉じて、また明日。詩の12日間。

紡ぐ
          藤川幸之助
紡がずにはいられなかった
別々のものが一つになるには
父母から祖父母からいやいや
もっと太古の昔から
綿々とつながって
あなたにたどりついた
一本の細い糸

紡がずにはいられなかった
その一本では支えられそうもなかったから
細い一本の私と
細い一本のあなたを紡いだら
一本の紐になった

紡がずにはいられなかった
一本の紐でも支えられそうもない時があった
紡がれた紐の私たちと
紡がれた紐のあなたたちを紡いだら
太い一本の綱になった

紡がずにはいられなかった
一本の綱でも切れてしまいそうな日があった
紡がれた太い綱の私たちと
紡がれた太い綱のあなたたちを紡いだら
太い太い絆になった

紡がずにはいられなかったあの日
便利さ故に見失っていたこと
豊かさ故に忘れていたこと
私が細い細い一本であったこと
故に私は紡ぎ続ける
©Konosuke Fujikawa
悲しみ

 

 

 

 

 

 

 

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©Konosuke Fujikawa【詩・写真*藤川幸之助】
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