「うなぎ」と「ウナギ」*詩「ウソ」

◆昨日7月24日は土用丑の日だったが、忙しくて「うなぎ」を食べ損なった。この夏は8月5日(水)も土用丑の日のようなので、その日にと思っている。◆この「うなぎ」は「ウナギ」と表記するときもある。これは新聞表記のルールで、できあがった食品はひらがなで、その原料はカタカナで表記するというもの。◆料理された蒲焼きは「うなぎ」で、泳いでいるのや料理される前のは「ウナギ」となる。◆嘘も「うそ」だったり、「ウソ」だったりだが、心の中にあるうちは「ウソ」で、言葉になって口からでたものは「うそ」なのだろうか。今日は「ウソ」という詩を。

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ウソ
  藤川幸之助
ウソは思った
本当はホントウでいたいと
人の口から出ると同時に
自分が真実でないことを
ウソはうすうすと気づいていたが
ウソにはウソなりのプライドがあって
ウソのままでいることが
自分の真実なのだと
ウソはいつも自分に言い聞かせていた
ウソである自分が
人の口から生まれるときの
人の心の醜さも
人の心の弱さも
人の心の頼りなさも
時には小さな優しさになることも
ウソは知っていた
自分がいなくなれば
この地球は真実に近づくけれど
この世に自分がいない分
人の心が嘘に満ちてしまう
ホントウの顔をして
ホントウと真実を争うことは
結局は人の心を苦しめることになることを
ウソは知っていた
だから
ウソは嘘をつくことにした
嘘の嘘は真実
そう思って
ウソを突き通すのを止めて
ときどきウソは嘘をつくことにしたのだ
【詩・写真*藤川幸之助】
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