詩「林檎」

※元旦に掲載した詩「今年の抱負」の連作です。

林檎
       藤川幸之助
悲しみと言っては大げさだし
悩みと言ったらちっぽけすぎるけど
林檎には林檎の分の影があって
私にも私の分の影があって

夜には闇にまぎれて
消えてなくなるけれど
また朝日とともに姿を現す
繰り返される生きることへの
問いのように

そして
この瞳に映る世界の姿が
その問いの答え
そう言わんばかりに
どんな闇よりくっきりと
この足下から伸びる影

さあ!
今年はどう生きよう
どんな答えを瞳に映そう
         【写真・詩*藤川幸之助】
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